ミオグロビン

主に心筋や骨格筋の細胞に存在するタンパク質であり、筋組織中での酸素の運搬や貯蔵を担っています。動物の筋肉が赤色をしているのはこのタンパク質があるためです。クジラやアザラシなどの筋肉中には特に多く含まれており、多量の酸素を蓄えることで長時間にわたる水中での活動を可能にしています。

 ここでは、生体内の重要なタンパク質であるミオグロビンの分子模型の展示を行っています。  

 

 主に心筋や骨格筋の細胞内部に存在するタンパク質であり、酸素と可逆的に結合することによって筋組織中で酸素の運搬や貯蔵を担っています。動物の筋肉が赤色をしているのはこのタンパク質があるためです。赤血球中に存在し肺から各組織へ酸素を運搬するヘモグロビンと役割が似ていますが、ミオグロビンは酸素の運搬よりも貯蔵が主な役割であり、激しい運動によって筋組織中の酸素濃度が低下した際に酸素を放出する働きをしています。クジラやアザラシなどの筋肉中には特に多く含まれており、多量の酸素を蓄えることで長時間にわたる水中での活動を可能にしているのです。ミオグロビンの分子量は約17500と小さく(例:ヒトヘモグロビンの分子量は約64500)、筋細胞が損傷した際には容易に細胞外へ漏れ出し血中へと流入します。この性質を利用して血中のミオグロビン濃度を測定することで、筋細胞の損傷を伴う病気である心筋梗塞や筋ジストロフィーなどの早期診断やその重症度の判定に応用されています。

  

参考文献  

 

[1] FALCO 臨床検査案内サイト, 「ミオグロビン(Mb)」,  

http://www.falco.co.jp/rinsyo/detail/060180.html, 2021-6-4閲覧  

[2] SRL 総合検査案内, 「ミオグロビン」,   

http://test-guide.srl.info/hachioji/test/detail/011801002, 2021-6-4閲覧  

[3] 岡山大学病院 検査部, 「ミオグロビン, Mb(myoglobin)」,   

https://www.okayama-u.ac.jp/user/kensa/kensa/protein/mb.htm, 2021-6-4閲覧