DNA

この模型は、DNAの二重らせん構造を原子レベルで表したものです。白い球が炭素、青が窒素、赤が酸素、緑が水素、黄色がリンをそれぞれ表しています。DNAの中には、生物体が必要とするタンパク質などの全ての遺伝情報が、4種類の塩基の並び方で決定される遺伝暗号として組み込まれているのです。

 ここでは、DNAの構造を原子レベルで表した模型の展示を行っています。   

 生物を構成する高分子化合物の例として、タンパク質や多糖類、そして生命現象に深い関わりをもつ核酸という物質があります。核酸は親から子に様々な特徴が受け継がれる遺伝に関係するものです。この核酸は細胞の核から得られた酸性物質ということから、この名前がつけられました。核酸は、糖、塩基、リン酸から構成されており、「デオキシリボース」という糖を構成成分とする核酸を特にデオキシリボ核酸(DNA)と呼んでいます。このDNAはどのようなタンパク質をつくるかという情報を保存しています。その保存された情報はリボ核酸(RNA)に渡されその後タンパク質が作られます。このタンパク質は酵素として生化学反応を触媒したり細胞内や細胞間の情報伝達をしたり、細胞の構造を維持したりということをしています。また、RNAはDNAと同じ核酸であるが「リボース」という糖を構成成分としています。    


 この模型では、白い球が炭素、青が窒素、赤が酸素、緑が水素、黄色がリンをそれぞれ表しています。白が多く集まっている部分が糖、中央付近の青が多くみられる部分が塩基、黄色と赤で構成された部分がリン酸となっています。この模型をよく見ると、二重のらせん構造になっていることがわかります。DNAは、二本の鎖状高分子が互いに逆方向からねじれ合い、一本の二重らせんをつくっています。鎖状高分子はデオキシリボースとリン酸分子が交互に配列していて、デオキシリボースにさらに塩基が付いています。二本の鎖状高分子は塩基部分で水素結合し、安定化しています。DNAの中には、生物体が必要とするタンパク質などの全ての遺伝情報が、4種類の塩基の並び方で決定される遺伝暗号として組み込まれているのです。 


参考文献  

 

[1] 卜部吉庸, 化学の新研究 改訂版, 三省堂, 2019  

[2]第7章 細胞の構造 -国立大学法人東京医科歯科大学 生物学入門 (tmd.ac.jp)  

[3]RNAとは?【がんRNA研究分野】 | 国立がん研究センター 研究所 (ncc.go.jp)  

[4]DNAの基本構造 〜二重らせん〜 | DNAの構造と複製 | NS遺伝子研究室 (nsgene-lab.jp)